ネクスキャットレポート
社長コラム#7
中動態という概念
ネクスキャットの存在意義である経営哲学”フィロソフィー”に関連して、代表取締役 千歳紘史(ちとせ こうし)が日々の思考をシェアします。
自ら進んで周りへはたらきかける「能動的」であることが良いとされる一方で、いわゆる「待ち」や「受け身」の姿勢と言われる受動的であることは良くない。といった風潮がありますが、必ずしもそうとは言い切れないと僕は思います。
流れに身を任せることも時には重要である。
「能動的でなければならない」と思うがあまり、自ら何かを発信しなければ。行動しなければと視野が狭くなってしまったり、まだまだ知見が浅い領域においても、自分の考えや価値観で進めることに執着してしまうことはないでしょうか。物事を円滑に進める上で、受動的であること、つまり流れに身を任せることも時には重要であると考えます。
流れに身を任せる状態、中でも無意識に行っている行為や状態を中動態というのですが、これは『ある行為や状態が、その人の意思に基づくものとは断定できないが、その人の人となりに少なからず基づいている時、それは「中動態」というのです。少し難解な説明ですね。
例えば、「歩いている」状態がまさに「中動的」と言えるのですが、歩くことを意識して歩いている人はいないはずです。
目的地に向かう意思から、自ずと手足や体がバランスをとりながら動いた結果、歩くことが出来ているのです。この複雑な動作を私たちは会話しながらだったり、障害物を避けながらだったりと別のことに意識を向けながら無意識に歩くことが出来ています。
このように周りからの環境を受けつつ、それを自分に反映して流れの中で自然に動く。そういった態度を身につけると、より生きやすくなるのではないでしょうか。