社長コラム#13
利他と利己は循環する
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社長コラム#13
私は「利他」とは決して自己犠牲のことではないと考えています。
利他とは、見返りを求めずに他者に価値を提供することですが、それは自己を犠牲にして奉仕するという意味ではありません。むしろ、利他的な行動こそが、結果的に自分自身の利につながるのです。
たとえば、他者のために動いたことが信頼や感謝として返ってくる経験は、多くの人が持っているはずです。こうした循環は、心理学における「返報性の法則」でも裏づけられています。他者に貢献することで、巡り巡って自分にも好影響が返ってくる。私はこのような関係性こそが本質的な「利他と利己の循環」だと捉えています。
この順番が変わると自分の利を得ることから始まり、相手にとってマイナスと感じられやすくなり、良い循環が生まれにくくなります。まずは利他。貢献ファーストな順番が最も重要です。
一方、「交換」は、何かを与えたらその分だけ何かを受け取るという、等価交換の概念です。ビジネスでは当然のように存在するこの仕組みは、ともすれば利害のバランス調整に注力しがちで想いが生まれにくく、結果的に得られる果実が双方にとって少なくなっていってしまうのです。
ビジネスにおいても貢献ファーストであることで長期的な信頼関係が築かれ、結果として企業や個人の発展につながります。利他から利己への循環がビジネスでも生まれることで、大きな価値を生み出し続ける力になると私は信じています。